思い出はタカラモノ

舞台と推しの話メイン

自分にとっての「推し」の定義

ここ暫く考えてきたお題、この人…推しだ…!と確信するに至る決定的な感情、感じたことはあるけどやっと言語化できるようになったので書き記しておく。

 

10年同じ人を推してきたということもあり、新しい推しに出会うためのアンテナがなく、「一体何をもって推しと認定されるのか?」とこの1年の間時々疑問に思っていた。
舞台界隈に足を踏み入れてから「この人好き!」と思う人は何人かいたし、便宜上「推し」という言葉で表現したこともあるが、なんかそれ私が思ってる「推し」とは違うんだよな~という宙ぶらりんな状態だった。

まぁでも別に突き詰めなくてもいいかなと思ってた。その人が推しであろうがなかろうが、その人が好きでその人に会いたいという気持ちは嘘じゃないんだし、だったらもう何も考えず現場行こうぜ、という気持ちでひたすら1年走り続けた。
今回はその結論が思いがけず突然降ってきたという話。

 

着地点を明確にするために先に述べておくけど、私が推しに対して抱くのは以下のような気持ち。

・その人にとって悲しいことができるだけ起こらないように祈りたくなる
・でも生きていれば避けられないことも絶対にあるから、悲しいことがあったとしてもそれを乗り越えられるだけの助けや人に恵まれ、とにかく幸せになって欲しいと思う
・心の中を覗きたいような気持ちになるけどそれは不可能だから、その人が何かしらの場面で自分の心情を語る時には耳を澄ませたいなと思う。語られることがない時は「あの瞬間はどんな景色がその目に映りどんな気持ちだったろう」と想像したくなる
・私ができない全てのことを顔を知らない誰かに託したい気持ちになる(ご飯をたくさんご馳走してあげたり一緒に遊んだり)

 

結論が降ってきたきっかけは、刀ミュの「歌合」という公演の大千秋楽。
何度もこの公演を観てきたけど、千秋楽のこれまでになかったあるシーンを観て予期せず涙が出て自分でも理由が分からないまま泣き続けるという奇妙な経験をした。
(一般的に奇妙なことなのかは分からないけど、少なくとも自分でこういう経験をしたのは人生の中でも数少ないか、全くなかった)

舞台を観て泣くことはよくある。でもそれっていつも「悲しい」「辛い」みたいな語源化できる感情と共にやって来るもので、「何に悲しんでいるのか」「何が辛いのか」を問うことはあっても「なぜ泣いているのか」を問うことなんてなかった。

帰り道、まだ夢から醒めないようなぼんやりした思考の中であれはなんだったのか考えてた。
目に焼き付いた該当の場面を思い出しながら、この気持ちは前にもどこかで感じたことがある。どこだっけ?と。
それが10年推してきたアーティストYさんに対しての気持ちと同じだと気付いた時、ピタッと型にはまるような感覚だった。「あぁ、この人推しだな」と認めざるを得なかった。

 

ちなみに該当のシーンというのは、クライマックスのスーパーウルトラ感動シーン(説明が雑)で伊万里さんがくるむくんの頭をポンポンしたところ(台本にある出来事ではない)
くるむくんは舞台に出演するのが2回目なのに、歌合ではセンターに立つことが多い重要な役割を任されていた。めちゃくちゃに大変だったであろうことは想像に難くない。そんなくるむくんを労うように見えたポンポンは、ここまでよく頑張ったなという伊万里さんの声が聞こえてきそうな光景だった。

しかも、刀ミュはキャラクターとして舞台に立つことが徹底されている。カーテンコールですら自分の名前を言うことはなく、あくまでもキャラクターとして最後の挨拶までを全うするほどに。*1
そんな中でも咄嗟に出た行動だったんだと思う(キャラクターとして見ればあまりそれらしい行動ではなかったかもしれないけど、私はとても好きな場面だった)

 

すぐにでも労いを行動に移してくれた伊万里さんに感謝だったし、とにかくキャストさん全員で労ってあげて欲しい…!と強く思った。
絶対に簡単なことではなかったはず。直前まで違う公演に出ていて、歌合も稽古の途中から合流しているのに出番が多くセンターポジション、全国ツアーで公演数も多く心身ともに疲労困憊は必至、ただそれ以上の達成感や充実感にも満ち溢れているはずだから、それを後押しするように皆で声をかけて美味しいお肉をご馳走してあげて欲しい…!(くるむくんはお肉が大好きです)

更には次の公演の稽古もすぐに始まるし、これまで後輩ポジションだったのが突然先輩ポジションになる訳だからそれに弾みをつけるように胴上げをお願いします!(実際にして欲しいという訳ではなく概念として言っています)(伝わりにくい)

あとはできれば少しでも休む時間、ほっとする時間、癒される時間、なんでもいいから「また頑張ろう」って思えるような出来事がくるむくんの身に起こって欲しい。とにかく全てが上手くいって欲しいです!(大声)

 

 

いや、賢くて運も持ち合わせてる子だからそんなこと思わなくても全然大丈夫だし心配してる訳じゃないんだけど、私が勝手にそう思い祈っていたいのだ!
あまりに思いすぎると「心配している自分」に焦点が向かいそうで怖いんだけど、推しと認識してしまった以上距離感を保ちながら自分の感情が自分の望まない方向にいかないように気を付けないといけないよな…。
(このへんの説明はちょっと難しいからまた改めて書く)

 

そんなこんなで、私は10年ぶりに新しい推しに出逢い、応援していくことを決めました!
くるむくんは大きくなる、絶対遠くない将来帝劇に立つような素晴らしい俳優になる、と根拠はないけど確信している。

才能も申し分なく、何より本人の素直さが成長速度を爆発的に加速させているのがよく分かる。

 

今でも少々遠い存在だと思うし、遠いまま遥か彼方へ行ってしまうような気さえする。
でも彼の姿に圧倒されている間は、心のままに彼を応援していたいなと思う。
応援って言っても具体的に自分にできることは何もないからそれがまた難しいところなんだけどね…。
「推すこと」の概念を掘り下げるのはもう少し時間がかかりそうだ。

 

今はただひたすらに、彼のキラキラした姿の「目撃者」でありたい。

 

*1:他の2.5次元作品も含めて、カーテンコールでは「○○役の△△です」と挨拶するのが一般的