思い出はタカラモノ

舞台と推しの話メイン

自分は舞台観劇に向いていないのではないか②

刀剣乱舞用語には注釈を付けていますが、意味が分からなくても差し支えなく読めるのでスルーしても大丈夫です>


ミュージカル刀剣乱舞(以下刀ミュ)で出逢った、佐藤流司(以下流司くん)という俳優さんがとても好きだ。

まずは簡単に解説。刀ミュの「本公演」は毎回6振りのキャラクター(※1)がメインキャストとして出陣(※2)します。2015年からこれまでに7回の演目が上演された。1回の公演は1部と2部に別れており、1部はお芝居、2部はライブという構成。
刀ミュにおいてのライブは、私が今までラルク等で経験したライブとは概念が異なる。ラルクhydehydeとしてステージに立つが、刀ミュのライブは流司くんが加州清光としてステージに立つ。ライブ中「佐藤流司」の一面が見えることは一切なく、加州清光を演じながら歌い踊り続ける。すなわち刀ミュのライブは「舞台そのもの」と言える。ちなみに、本公演以外に幕張メッセさいたまスーパーアリーナで行われるライブだけ(お芝居なし)のイベントもある。

話を戻します。流司くんは刀ミュ本公演に4回出演済のため、今後出演するとしたらライブしかないと思っている。これは予想だけど、過去の例から見てもほぼ確信に近い。もっと言うならライブにも今後出演はないかもしれない。

5/7に行われた刀ミュのライブ(流司くん1人で幕張メッセを埋め尽くした)が私にとって初めての現場となった訳だが、ライブ中それはそれは大変だった。幸せ(楽しい最高!)と絶望(でも流司くんが演じる加州清光にはもう二度と会えないかもしれないこれが最初で最後かもしれない…)が一気にやってくる、あんな気持ちは久しぶりに味わった(言うまでもないが、勿論行って良かったと心の底から思っている。流司くんは最強にかっこ良くて最強に可愛かったまた会いたい)。


本記事のタイトルはここに繋がる。舞台という、もう二度とないかもしれない刹那的なものを好きになってしまったが、自分はこの道に向いていないのではないか?と早速思い始めてしまった。一筋どころかリピート体質だし。舞台なんてリピートするには回数がかなり限られる。しかしながら今私の手元には5枚のチケット(全部東京)がある。更に言うと2枚追加(こっちは大阪)しようとさえしている。たまに自分の行動力が恐ろしくなるが、今のところ後悔はしていない。

「舞台」というコンテンツ自体は半永久的に存在すると思うが、「演目」はある一定期間(作品によるが、今年の刀ミュ秋公演だと3ヶ月弱で全74回)上演されるだけの刹那的なもの。人気公演は数年後に再演されることもあるが、多少なりともキャストや脚本は変わり、全く同じものを観ることはほぼ叶わない(劇団四季で常時上演しているキャッツなどもあるが、だいぶ特殊なことので一旦例外としている)。幸い刀ミュは過去公演の大千秋楽は全て映像化されているが、世の中には映像化されない舞台の方が多いだろう。本当に一期一会みたいなものだ。

私がこれから舞台観劇をするにあたって、その点を不安に感じる。その場でしか体験できない楽しさや感情は様々あるが、またリピート体質部分が満たされず欠乏状態になるのでは?と。

人前に立つ仕事を続けてくれる限り、舞台でも映像でもむた流司くんにお目にかかれる機会はあるだろう。問題は流司くんが演じる役の方だ。あんまり役に入れ込み過ぎると後々自分の首を締めることになる(加州清光はだいぶ入れ込んでしまったので時既に遅しだが)。

ただ、私は加州清光ではなく佐藤流司に落ちたタイプのファンだから、どうしても彼が演じる他の役柄を見てみたいと思ってしまうんだよな。俳優を推す以上この気持ちはあって当然のことだと思う。次に観に行く舞台はロックオペラのロミジュリ。流司くん演じるロミオにどれ程入れ込むかは分からないけど、それこそ後悔することになるかもしれないけど、とりあえず己の本能に従って3公演行ってきます(これ以上増えないことを切に願っている)。

舞台観劇に向いてないかもしれないけど、もしかしたら環境に適応して自分の体質が変わるかもしれないし、気持ちの区切りをつける練習になるかもしれないし、初めての舞台リピートで何かしら見えてくるかもしれない。好きになるのはいつでも怖いけど、向いてない辞めよう!と決断するには少し早い気もする。

今自分が楽しいと思うものに全力を注ぐ生き方はもう今更変えられないから、後悔したとしてもそれもまた人生ってことですな。




【注釈】
※1…刀剣乱舞に出てくるイケメン達は、「刀」を顕現化した付喪神である「刀剣男士」というキャラクターです。例えば私が好きな流司くんは、新撰組沖田総司が所持していた「加州清光」という刀(キャラクター)を演じています。
※2…原作である「刀剣乱舞」の中で、刀剣男士達が戦に行くことを「出陣」と呼びます。刀ミュの中でも、公演に出演することを「出陣する」と表現します。